通訳訓練法
英語教育、中国語教育に導入する特別なメソッド
通訳者が通訳技術を高めるために日々行っている通訳訓練法は高い効果があることは一般によく知られています。
1.聞こえた言葉を順番に意味の塊として理解する。
2.理解できた意味の塊を別の言語に置き換える。
3.置き換えた言葉を正しい語順で正しく発音し相手に伝える。
実はこの一連の作業は、一般的な会話とほとんど変わりません。
CCアカデミーの最大の特徴は通訳者が日々行っている効果の高い通訳訓練法を導入し、
より早く、より確実、より美しい外国語をマスターするお手伝いをさせて頂きます!
パラレルリーディング
【対象】テキスト本文の内容が聴き取れなかった、意味が把握できない個所があった人に効果があります。
【練習法】本文の音声にかぶせるようにして、スクリプトを見ながら音読していきます。パラレルとは平行という意味で、パラレルリーディングとは音声に合わせて音読することです。CDの音声のように流暢に読めるようになるまで繰り返し練習します。音声にかぶせてスムーズに読めるようになったら、今度は自分の声だけで音読を練習してみる。すると流暢に読めるようになっていることを実感できるでしょう。流暢に読めるようになるまで、繰り返し練習します。どんなに時間がかかる人でも年齢×回数で流暢に読めるようになるが、一般的には10回程度で上手に読めるようになる人が多い。またこの時いつも同じ場所でつかえる場合は、そこだけを取り出して10回程度読んでみるとスムーズに読めるようになります。
【効果】この練習によって英語や中国語の発音やイントネーションに慣れ、英語や中国語の語順に慣れて来るなどの効果があります。
クイックレスポンス
【対象】単語を素早く覚えたい方が対象です。会議に出てくる専門用語を一晩でなん百と覚える必要がある通訳者はこの方法で、たくさんの単語を頭に叩き込んでいます。
【練習法】日本語の単語を聞き、対応する外国語を瞬時に口にします。または逆で、外国語の単語を聞き、対応する日本語を瞬時に口にします。何度も練習することによって、聞こえてきた単語の訳語が反射的に言えるようになります。ポイントは必ず声に出して取り組むこと。外国語については声を出し訳語を言った後に正解が流れますので、もう一度CDの声について、発音の練習ができるようになっています。
【効果】訳語にすばやく対応することで、豊富な語彙力が身につきます。また単語でつまずくことがなければ、リスニングもぐっと向上します。即座に反射的訳語が言えるようになれば、単語力は定着したといえるでしょう。これにより円滑な会話力の養成が期待できます。
シャドーイング
【対象】意味はほぼ理解できたが、読むのに時間がかかる人が対象です。
【練習法】シャドーイングとは流れてくる音声を聴き、それを影のように追っかけ再生する方法です。シャドーとは影のこと。影のように音声を真似するところからこの名前が付きました。まずは、スクリプト(テキスト本文)を見ながら、外国語の音声が聞こえてきたら1秒から3秒遅れて同じ外国語を声に出して音読する。慣れてきたらスクリプトを見ずに練習してみます。目標はスクリプトを見ずにシャドーイングできることであり、それができるようになるまで繰り返し練習します。もしスクリプトなしではシャドーイングが出来ない場合はパラレルリーディングの練習が足りないことを意味していますので、その時はパラレルリーディングとスクリプトを見ながらのシャドーイングの練習に戻って繰り返します。
一方で慣れてくるとシャドーイングは考えごとをしながら、もしくは意味を考えずにできてしまうので、そうなっては練習の意味がありません。そのような時は次のリプロダクションの練習に進みます。
【効果】この練習によって外国語の発音やイントネーションに慣れ、外国語を話すスピードが向上する。リスニング力飛躍的に向上するといった効果が期待できる。
リプロダクション
【対象】内容の理解は問題なくできた、シャドーイングがスムーズにできるようになった人が次に行う練習です。
【練習法】1センテンスごとに流れてきた音声を一時停止してその間にセンテンスをそのままリピートします。もし難しいようでしたらまずはフレーズで練習してください。このセンテンスのリプロダクションでは実用的な内容を盛り込んでいますので、覚えてしまうぐらいリプロダクションするのがよいでしょう。
【効果】センテンスを覚えるために集中して聴くのでヒアリング力が飛躍的に向上します。使い方が難しい単語を抜粋して代表的な例文をリプロダクションします。口に出す訓練を通して、聞こえてきた音声を中国語の語順のまま理解する能力を引き上げ、例文をそのまま口に出して話してみることによって会話力を高めます。またリプロダクションができる文字数は練習すると徐々に長くなっていきます。それをメモしておくと、自分の成長の記録になり、励みにもなります。
スラッシュリーディング
【対象】外国語の語順のまま素早く文法項目や構文を理解したい、正確で素早い情報の把握し、処理したい人に有効な訓練法。
【練習法】テキスト本文を声に出して読み、意味が取れる区切りと判断したところに斜線(スラッシュ)を引きます。斜線までを一つの単位と見なし、声に出してその部分を日本語に直す。この時点では文全体の訳として多少不自然でも構いません。あくまでも一つの単位ごとにその意味を把握する訓練を行います。訳したら続きを声に出して読み、この手順(読む→スラッシュ→訳す)を繰り返します。
【効果】この訓練法を使うと文を意味の塊で分けることができ、視線が前後に動くことが少なくなり、読み取りの時間短縮につながります。
ピラミッド式練習
【対象】短い文なら対応が可能だが、文が長くなるとシャドーイングやリプロダクション、サイトトランスレーションが難しいと感じる人に有効な訓練法。
【練習法】1文ずつ聞こえてきた日本語を英語や中国語に訳します。文を徐々に長くし、語順に注意しながら訳出する練習を行います。この訓練法では英語や中国語の文法構造に慣れ、徐々に長い文が話せるようになる効果があります。ただし教材を見つけるのは難しいので、専門の講師による教材作成が必要です。
【効果】この練習法を通して練習すると、徐々に長い文が言えるようになり、高度な複文などが作れるようになります。頭の中で素早く英語や中国語の作文をすることができるようになれば、楽に話せるようになります。したがって英語や中国語での作文練習はスピーキング力向上への早道と言えるでしょう。
サイトトランスレーション
【対象】これまでの練習の集大成として完成度の高い練習にチャレンジしたい人に最適な訓練法です。
【練習法】英語や中国語のスクリプトを見ながら、冒頭からそのまま日本語に訳していきます。(スラッシュリーディングの時のように範囲を区切らずに行います)
テキスト本文を冒頭から目で追っていきながら、順に声に出して訳していく。その際にまで日本語を読んでいるようなスムーズな仕上がりを目標にします。訳しながら、一定のスピードで先の内容も目で追っていく必要があるので、かなりの高度な技なのです。あまり先まで見たり戻って再確認したりしないように工夫し、スムーズにできるようになるまで何度も繰り返し練習します。
【効果】この練習では集中力、語彙力、文法力、表現力などの総合力を高める効果があります。何度か練習することにより、スムーズにサイトトランスレーションができるようになれば、実力の向上を実感できるようになります。
音読筆写
【対象】練習最後の仕上げとして、テキスト本文が完全に理解できているかを確認し、英語の綴り、中国語の漢字の不安はないかも確認したい人に有効です。
【練習法】テキスト本文のを1文ずつ読み上げ、顔を上げてスクリプトを見ずに、1文が再生できるかどうか言ってみます。(ここまでリプロダクションと同じ訓練である)そして再生した1文をノートに外国語のまま書き取ります。
書き取れない部分はいったん発音記号で埋めておきます。一回で書き取れない場合は、短く切って同じ作業をしてみるとよいでしょう。書き取りが終わった後、スクリプトを確認し、正しくかけたかどうかを確認します。そして書き取りができなかった原因を分析します。単語が認識できなかった場合は語彙力を強化します。発音と文字が頭の中でリンクしないと書けないので、単語を覚えるときは発音も一緒に覚える必要があります。処理スピードが追い付かない場合はできるだけ速く読むスピードリーディングを実行してみます。意味が取れない場合は文法力、語彙力を強化します。多読、精読に取り組んでみます。綴りや漢字が書けなかった場合は書く練習量が足りので、教科書を書き写す等の練習をします。原因が分析できたら、解決に向けて弱点強化をすればよいのです。
【効果】この練習では読む、聞く、話す、書くという四技能すべてが必要となり、この訓練表で訓練すると四技能まんべんなくブラッシュアップすることが可能です。また書き取れない箇所について分析することで、四技能のうちのどの部分が弱点か見つけることができ弱点強化に役立ちます。